こんにちは。
たまこです。
母方の祖母、つまり、私の母の母は、
私にとっては優しいおばあちゃんでした。
母とは上手くいっていないようでしたが、
私の目には、母がかなりの変わった個性の持ち主であることが原因であり、やむを得ない、と映っていました。
満州から子供4人を抱えて引き揚げた祖父母は、おそらく生活が楽ではなかったと推察されます。
母からよく聞かされた話は2つ。
きな粉をつまみ食いしたら祖母に叱られて、口の中いっぱいにきな粉を詰められて苦しかった話。そして、洋服を作ってあげると言われて喜んでいたのに、それが届いた時、そんなものは頼んでいない、娘が勝手に頼んだに違いないと言って玄関に呼ばれて濡れ衣を着せられた挙句、買って貰えなかった話です。
どちらも、子供には辛い体験だったことでしょう。
生活が厳しかったから、そうせざるを得なかったのかもしれません。。
そういう体験が、母の人格になんらかの影響を与えたであろうことは理解できます。
小学生の時、ひとりで岩見沢の祖父母の家に遊びに行きました。
夏休みの家庭科の宿題が、学校の調理実習で作ったメニューを、
自宅でも作って、家族の感想をもらってくるというものでした。
私はその宿題を、祖父母の家ですることにしました。
確か、粉ふきいもと豆腐とわかめのみそ汁、イカの炒め物、そんなメニューだったと記憶しています。
祖父母は、美味しいと言って食べてくれました。
粉ふきいもに塩を振り過ぎたのか、やや塩っぱくなってしまいました。
祖母が感想にその事を書いたら、母が文句を言っていたのを思い出します。
「自分が一緒に作っていて、もう少し塩をふったほうがいいとアドバイスしたくせに、たまこのせいにして!」
私にはどうでも良いことでした。
一緒に料理をして、一緒に食べて、感想を書いてもらって、あら良かったわねと、ニコニコしていてくれたら良かっただけです。
祖母は晩年、函館にいる長男ご夫婦のご配慮で、近くの老人ホームに入居する予定でした。
同じ北海道に住む長男が、祖母の面倒をみてくれていたのです。
ところが、入居を控えたある日、突然私の両親が函館にやってきました。
半ば無理矢理、祖母を連れて帰ったというのです。
両親は当時岐阜県に住んでいました。
土地勘も友人も無い土地で暮らすことが、祖母にとってどんなことだったのか、どんな気持ちだったのか。
両親がなぜそんな行動をとったのか、皆目見当もつきません。
親孝行をしていないことに対する罪悪感でもあったのでしょうか。
真相は闇の中です。
老人ホームの手配を終えていた長男夫婦が、どんな気持ちだったか。
今でも申し訳ない気持ちです。
その後祖母は、暫く岐阜県の私の両親の家で過ごしました。
しかし、母とはやはり馬が合わない上、
父ともうまくはいかなかったようです。
知らない土地では、話し相手になる友人もいません。
どうしても、函館に帰りたい。
強くそう感じた祖母は、耐えかねて、ある日80代の老身に鞭打つように両親の家を飛び出します。
見知らぬ人の助けを借りながら、命からがら函館に帰ったのです。
長男夫婦がどれだけ驚いたことでしょう。
再び入居できる老人施設を探してくれましたが、以前のように自宅から近いところはすでに満室。空きがありません。
やむを得ず、車で一時間ほど離れた町にある老人ホームに、なんとか入居できました。
その頃、私は叔父から電話番号を聞いて、祖母に電話をしたことがあります。
親戚の連絡先は、誰一人として、両親から聞いていなかったのです。
「たまこかい?」
久しぶりの孫の声に、とても喜んでくれました。
結婚の報告と、両親が出席しなかったことを話しました。
「お前にそんな思いをさせて、ごめんね」
そう言われて、ぐっときました。
「あんな娘に育てて、ごめんね」と、涙声で言っていました。
幼い娘を連れて、夏休みに3度ほど祖母を訪ねました。
私の娘を膝に座らせて、嬉しそうにしていた祖母が懐かしいです。
「お孫さんたちがいらして、いいわねえ。」
施設のスタッフの方からも声を掛けられて、ニコニコしていました。
私たちが帰るときは、玄関の自動ドアのところまで出て、
夕陽を浴びながら見送ってくれた姿を今でも鮮明に覚えています。
私には大切なおばあちゃんだった祖母。
星になってからもう10年以上が経ちます。
きっとどこかで私たちを見守ってくれています。
祖父母がいなければ、私の母は生まれていません。
両親がいなければ、私はこの世に存在しません。
だから、母に多大なる影響を与えた祖母の記憶を、忘れたくなくて、ここに書き留めておくことにしました。
何があっても、生まれてこれたことは、奇跡。
そのことを忘れないで、生きていきます。
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